サッカーアプリの音を作成しています。
iアプリ版のmidiファイルを、そのまま音声ファイルに置換しただけではファイルサイズが大きすぎて話にならないので、全てにおいて見直しが必要です。
世の中には既に立派なサッカーアプリが存在するので、それらとの差別化として「容量が小さい」「お手軽」「サクサクできる」というのは非常に重要なポイントになると思います。
だからといって手抜きと感じられてしまっては不本意です。
要所を押さえて「魅せる」ことは必要です。
何でも第一印象というのは大切なので、タイトル音楽はしっかりさせたいところですが、容量の関係で、あまり長い曲を作るわけにはいきません。その上、何度も起動してプレイしてもらうことを想定すると「またこれか」と思われるような「単純すぎて飽きやすい」タイプは極力避けたいです。
短いループ曲に、印象的なフレーズを入れてしまうと、これも飽きを早める気がします。
何度聴いても、正確には覚えられないけど、なんか雰囲気がいい、というくらいの背景音楽がよいと思っています。
こういったことを考え始めると、いつも思うことがあります。
ゲームに限らず、プログラムというのは非常に論理的に構築するもので、無駄なく綺麗に作ることが美学とされていたりします。例えば、フリーハンドで絵を描くことよりも、定規やコンパスを使って「きちっと」描くことが望まれ、机の引き出しの中は常に整理整頓され、筆箱の中の鉛筆は背の順に並び、財布の中の夏目漱石は、いつも同じ方向を向き、スーパーのレジで支払い額が786円のときに「1341円」を支払うようなことです(おもいっきり主観)。
ツール系なら望むところでしょうが、ゲームに限ると「定規で描いた絵のようなアプリ」なんて面白みに欠けると思いませんか?フリーハンドのような予測できない線の動きが含まれると、それが味となり、ユーザーに飽きを感じさせにくくする要因となる気がしています。プログラム製作には論理的な思考が必要なので、そういう考え方ばかりしている人が企画を考えると「プログラム的に作りにくいのでパスしたいなあ」と、味になる部分を簡略化する「嫌な力」が働き出すものです。
で、話を音楽に戻すと、これも同じことが言えます。
例えば、等間隔でドン、ドン、ドン、ドンと、ドラムが鳴るような音楽は飽きやすいので、ドンのタイミングを前後にミリ秒単位でずらすことがあります。打ち込み音楽と、人間の生演奏を比べればよくわかると思いますが、人間はコンピュータのように完璧じゃないので、演奏に微妙なズレが発生しています。これが「味」になって「何度聴いても飽きない」ものができるのだと思います。
今回のサッカーゲームではドリブルのときにボールを蹴る効果音を鳴らすのですが、ドンドンドンと一定のタイミングでなり続けると眠くなるので、2種類の音色を用意してランダムで鳴らし、発音タイミングも乱数で少しずつずらす方法を採用してみました。
ちなみに、ゲーム中の音楽は全てやめて、サッカースタジアムの歓声にしました。
スポンサーサイト
- 2012/11/01(木) 09:21:33|
- 開発日記|
-
トラックバック:0|
-
コメント:0